相変わらずスマホのカメラが熱いですね。先日は中国のシャオミが日本参入第一弾として1億画素センサーの「Mi Note 10」を投入すると報じられましたし、ソニーの新型センサーIMX686を世界初搭載した「Redmi K30 5G」が2020年1月に発売される予定と、カメラ性能を謳うスマホが相次いで発表されています。少し前には月が撮れるとカメラ性能をウリにしたファーウェイの「P30 Pro」や、星空が撮れるとアピールするGoogleの「Pixel 4」が発売され話題になっていました。
普段から手軽に撮影を楽しむため、最近はハイエンドなコンデジが欲しいなと思っていたんですけれど、これだけキレイに映るならスマホで十分じゃないかな、一眼を持ち歩く機会も減るかもしれないと、スマホやデジカメの画質ランキングサイト「DxOMark」の評価も参考にしながら、画質の良いスマホをチェックしていました。現在1位になっている「Mate 30 Pro」や「Mi CC9 Pro」のレビューサイトも色々見たりしたのですが、綺麗には綺麗なんですけれど、HDRが強すぎる印象でどうも自分の好みと違うような気がして悩みながら…。そして結局型落ちで安価になっていた「P20 Pro」を買ってみました。ライカと共同開発したというトリプルレンズを搭載しているのが特徴のスマホです。
メインカメラはスマホとしてはサイズが大きい1/1.7インチRGBセンサーの4000万画素(f/1.8、27mm)で、光学3倍望遠の800万画素センサー(f/2.4、80mm)、そして2000万画素のモノクロセンサー(f/1.6、27mm)を搭載しています。後継モデルでは超広角カメラを搭載していたりRYBフィルターに変更しているようですが、RGBフィルターやモノクロセンサーのおかげなのか、従来機種のほうが締まって見える気がしたのが選んだ一番のポイント。
現在メインで使用している「iPhone 7 Plus」とどのくらい変わるのか、撮った写真で比較してみました。参考までにAPS-Cサイズのミラーレス一眼でも撮っています。大半は18-55mmのズームレンズで広角側を使用、いずれもJPEG撮って出しです。等倍表示での比較にはさほど興味はなく、ブログ用にリサイズしていますし、人物などはボカシをかけているので、厳密な比較ではないですが、雰囲気だけでも伝われば。
まずは晴れた日中のマツダスタジアム。晴天下ではiPhoneもそんなに悪くはなく見えます。
しかしP20 Proだとくっきり鮮やか。AIにより「青空」が選択されていました。パリッとした画は好きですね。一眼にも負けていません。
角度を変えて撮影。どれも同じような傾向で、iPhoneは少し彩度が足りない雰囲気。
晴天下での風景なら、十分一眼の代わりになるのではないでしょうか。紅葉も入れて撮ってみましたが、とっても鮮やかで綺麗です。
「ポートレート」や「アパーチャ」等、背景をぼかせるモードもあります。まずは通常。
スラィリーはポートレートとは認識されなかったので、アパーチャモードで。スライダーで効果の強弱を指定できます。スラィリーだと強にしても境目はそんなに不自然では無いですね。
P20 ProのAIはけっこう賢く、花に向けると「花」となり、鮮やかで背景をぼかした撮影が出来ます。
さて風景撮影に戻ります。これは広島駅北口の様子。P20 Proは一眼に負けないくらいの画を出しますね。
既にiPhone 7 Proでは撮らなくてもいいかな、と思い始め、ところどころiPhoneでの写真が無い場面もありますが…。ここもそうです。広島駅の北口にあるクリスマスツリー。P20 Proは鮮やかに映し出していますね。
南口にある銀ケ…駅前の噴水。くっきり解像感のある絵になります。
ここまではiPhone 7 Plusも、少しくすんだ色ですがそれなりに撮れていますけれど、室内などやや暗い場所になると厳しくなりますね。少しぶれてしまいましたが。
ミラーレス一眼
風景も曇り空になってくるとだいぶ違いが出てきます。
iPhone 7 Plus
P20 Pro
ミラーレス一眼
逆光の撮影ではP20 Proは強いですね。強調しすぎですけどHDRが効いて、影の部分も潰れる事なく表現できています。これはこれで面白い絵かな。
街中にある紅葉を。こちらは一眼のほうが強調し過ぎになってしまいましたが、見た感じに近いのはP20 Proですね。
道路に散っているイチョウを撮影。遠近感を付けると、一眼のボケが活きてきます。
ただこちらもアパーチャモードを使えば不自然の無い仕上がりに。
公園にある河童の銅像。これはiPhoneでも綺麗。
こちらも人物とは認識されなかったのでアパーチャで。河童のピントも少し甘くなってしまいました。
構図を変えて撮れば、とてもスマホで撮影したとは思えないような写真に。
さて今度は少し高台に。どうしてもiPhone 7 Plusはくすんだ感じになってしまいます。
ここではちょっと単焦点でも撮ってみました。拡大すればくっきりしているんですけど、このくらいだとそんなに変わらないかな。
さてズームしていきます。
P20 Proの5倍は「ハイブリッドズーム」と呼ばれ、3倍レンズとメインレンズを使い補完したデジタルズームになっています。ディテールははっきりしており、これなら十分使えそう。
iPhone 7 Plusで最大となる10倍。かなり崩れてしまいました。
同じくP20 Proで最大となる10倍ですが、まだこちらのほうが細部がしっかりしていますね。
ちなみにP20 Proではプロモードが用意されており、ISO感度やホワイトバランス、シャッタースピード、露出、フォーカスモードを指定出来ます。
曇り空の下ではオートだと少し寂しすぎる印象でしたが、ホワイトバランスを調整するだけで、ぐっと雰囲気が出ました。
それでも見栄えのする写真を撮ろうとすると、やはり一眼のほうが上かな。
構図を考えたりすれば、それなりに…。
風景など、その場の雰囲気を表すなら素晴らしい出来ですね。パリッとして好みです。
さて一番違いが出るだろうと期待した夜間の撮影。イルミネーションを撮ってみました。ちなみに全て手持ちですが、夜間なのにノイズが少なくくっきりした絵が!撮った時には感動しますね。鮮やかさとか色の深さでは一眼のほうが好きですけれど、スマホでここまでの写真が撮れるのは驚異的。
「夜景」モードにすれば、4秒間の間に連写して合成し、さらに明るい写真に。ほんの少しですが星空も撮れます。
イルミネーションのように被写体が明るいと、通常モードも夜景モードもそんなには変わらないかな。
一眼で夜景を撮ろうとすると設定を調整したりと結構大変なんですけど、何も考えず手持ちでさくっとこれだけの写真が撮れるのは驚き。夜間の撮影も楽しくなりますね。
追記で、最後に気になる赤色を。色の綺麗さでは一眼ですね。これは室内ですが、太陽の下で撮ればまた違うかもしれませんが。
コンデジに興味があったんですが、これを見る限りは無くても十分かな。ただ、一眼が不要になるほどでは無かったので悩ましいところ。普段の荷物が減ればいいな、って思ってたんですけれど、これだとやはり持ち歩こうかなと考えています。結局荷物が1つ増えただけという結果に(笑)。ただスマホならではの撮影方法を考えて撮るのは楽しいですね!