「ファイナルファンタジー」や「ガッチャマン」、「タイムボカン」、「みなしごハッチ」等々など、数多くのキャラクターデザインを手がける有名なアーティスト天野喜孝さん。そのの原画展「天野喜孝展 ~想像を超えた世界~」が、現在「筆の里工房」で開催されています。4月29日から始まったこの原画展、開催は6月11日(日)まで。
天野氏の絵は、われわれ世代にはすっかり「ファイナルファンタジーの人」として定着していますね。とても興味があったので、先日訪れてみました。
繊細で緻密な描写、多数の原画が展示!
「筆の里工房」に入り、会場のある下の階へ。会場は第1会場と第2会場に分かれています。
ちなみに、こういった展覧会は通常、写真撮影が禁止されているのですが、今回の「天野喜孝展 ~想像を超えた世界~」については写真撮影がOKとのこと。これは嬉しい対応ですね!
第1会場に入場すると、まず目に入るのが「ファイナルファンタジー」関連の展示です。
「ファイナルファンタジー」と言えばもう天野氏のイラストですね。繊細で緻密な描写が素晴らしいです!見事にファンタジーの世界を表しており、当時もこれらのイラストから想像力を掻き立ててくれました。
「ヤッターマン」や「みなしごハッチ」、「ガッチャマン」などもあります。
昔タツノコプロでアニメのキャラクターデザインをやっていた……といってもあまり結びつかないところがありましたが、最近のところで言えば、何年か前にNHKで放映されていた「やさいのようせい」でキャラクターデザインを手がけられていましたね。
これがまた、カワイイんですよ!
ひと目で「これは芽キャベツだ」「これはナス」「これはトマト」と分かりながらも、それぞれの表情が個性的でとってもキュートなんです。アニメーションも、色鉛筆のようなタッチで天野さんの絵とすごくマッチしていて素敵なのです。ひと目で視聴者にキャラクターを認知させて覚えさせる、というテクニックは、芸術畑にいかれた今もご健在と感心しきりでした。子供用の絵本もたくさん出ているので、お子様にもきっと喜ばれますよ。
その他に菊地秀行さんの小説「吸血鬼ハンターD」の挿絵などに使われたお馴染みのイラストも。天野氏らしい作品ですよね。
屏風に描かれた風神雷神も素敵です。
第2会場の入り口には、空を超える女神というコンセプトで作られた作品「EVE」が展示されています。
そして中に入ると……、この展覧会の一番の目玉かもしれない「DEVA LOKA」が! 幅が約7mの巨大な絵で、アルミパネルにアクリル絵具と自動車用の塗料を用いて描かれています。
「DEVA LOKA」とは「神々の住む場所」という意味の仏教用語で、「混沌」が表現されているとのこと。「ファイナルファンタジー」に出てくるモンスターや神々、機械などが所狭しと描かれ圧巻ですね!
また同様の技法で描かれた「Candy Girl」シリーズは、POPな色合いでカラフルで鮮やか、そして女の子が可愛いですね。
アメリカのファッション誌から依頼され、「デビッド・ボーイ」をイメージして描かれた作品も。また熊野筆を使ったライブペインティング作品も展示されていました。
天野氏の映画初監督作「DEVA ZAN」に出てくるパンサーも展示されています。
会場にはまだまだ沢山の作品が展示されており、非常に見応えがあります。「ファイナルファンタジー」の幻想的でクールな天野氏の絵も圧巻ですが、「やさいのようせい」のような可愛らしいタッチの絵も見逃せません。6月11日(日)まで開催されているので、まだご覧になられていない方は、この機会にぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。詳細は筆の里工房のイベントページや、「天野喜孝展 ~想像を超えた世界~」公式サイトで。
筆の里工房
広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
http://fude.or.jp/jp/