【ネタバレ有】『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部』読了。大人と子供を繋ぐ一冊。

シェアする

ハリー・ポッターと呪いの子

あのハリー・ポッターシリーズに、ついに待望の続編が登場!
ファンはもちろん、そうでなくとも興味を引くのがハリー・ポッターシリーズ
発売日にゲットして読了しました。

※ここから先は激しくネタバレありなのでご注意を!※

スポンサーリンク

『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部、第二部』あらすじ

37歳になったハリー・ポッターは、ジニーの夫として、長男ジェームズ、次男アルバス、長女リリーの3人の父親として、魔法省の役人として、忙しくも幸せな日々を送っていた。

そんなハリーの目下の悩みは、次男のアルバスのこと。

『ハリー・ポッターの息子』という枕詞を背負うことは、アルバスにとって、とても重苦しいことだったのだ。
そのせいか、なにかとハリーに反抗し、ひねくれた態度をとるアルバス。
ハリーとアルバスは、父として息子として、適度な距離がわからずにいた。

ホグワーツ魔法学校入学の日。
アルバスは、同じく入学するローズ(ロンとハーマイオニーの娘)とともにホグワーツ行きの特急列車に乗り込む。
そこで、アルバスは、他のみんなが避けるスコーピウスという少年と仲良くなる。

スコーピウスが避けられていた理由。
それは、かつて魔法界を恐怖のどん底に突き落としたヴォルデモートの配下だったドラコ・マルフォイの息子だから。
それだけではない。
スコーピウスは、ドラコではなくヴォルデモートの息子なのではないかとまことしやかにささやかれていた。
ともに親に曰くをもち、コンプレックスを持つ者同士、アルバスとスコーピウスは次第に親友になっていく。

ある日、ハリーの元に一人の老人が、20代前半くらいの姪・デルフィーを伴って訪ねてくる。
老人の名はエイモス。
かつて、三校対抗試合にホグワーツ代表として参加し、ヴォルデモートに殺されたセドリックの父親だった。
エイモスは、魔法省が新たに発見したという逆転時計を使って、息子・セドリックを取り戻したいとハリーに訴えに来たのだ。
呵責を感じながらも、ハリーはそれを断る。

セドリックは、巻き込まれた、ただそれだけで命を落とした。
セドリックを救えなかったことを、今もハリーは後悔し、苦しんでいる。
アルバスとスコーピウスは、魔法大臣であるハーマイオニーが保管していた逆転時計を盗み出し、自分たちの手でその「歴史の過ち」を正そうと試みる。

アルバスとスコーピウスの行動に、大人たちは振り回される。
そんな中、ハリーは額の傷がうずくこと、そして悪夢を再び見るようになったことを不安に思っていた。
ヴォルデモートが再び復活しようとしているのではないか?
焦るハリーは、アルバスを逐一監視しようとして、さらに溝が深まってしまう。

アルバスとスコーピウスは、なんどか歴史の修正を試みるも、ある時はロンとハーマイオニーが結婚せずローズが消えた歴史に、ある時はハリーが死に、ヴォルデモートが支配する歴史に作り替えられるなど、たくさんの恐ろしい目に遭う。

命からがら過去の世界から戻ってきた子供たちを、大人たちは厳しくも優しく受け入れる。
ほんの少し距離が縮まる父と子。

元通りの世界で、アルバス、スコーピウス、デルフィーは逆転時計を破壊しようとする。
が、デルフィーは逆転時計を隙を見て奪い取る。
そう、デルフィーこそが、ベラトリックス・レストレンジとヴォルデモートの間に生まれた子供だったのだ。

アルバスとスコーピウスは、デルフィーによって用なしとばかりに、いつの時代のどこの場所かもわからないところに捨てられる。
歴史の中で迷子になってしまった二人は、知恵を絞って未来に居る大人たちに自分たちのいる場所と時代を伝える。

「父さん助けて。ゴドリックの谷。1981年10月31日」

ハリーの両親がヴォルデモートに殺された日。
その日、ヴォルデモートがハリーを襲わなければ、ヴォルデモートが一度死ぬことはなかった。
デルフィーはヴォルデモートのポッター家襲撃を止めようとする。
だが、待ち伏せていたハリーたちは、アルバスとスコーピウスを無事に発見し、現れたデルフィーを捕らえることに成功する。
そして、元の歴史のそのままに、一行の目の前でハリーの両親は殺された。

デルフィーはアズカバン監獄に送られ、平穏な日常が戻ってきた。
そしてハリーはアルバスに、自分の弱点について話す。
よい父親になるとはどいうことかがわからないということも。
父と子の距離が、ほんの少し、また縮まる。

子育て中の大人の胸にズンとくるシーンが盛りだくさん

児童文学としても、ファンタジーとしても、もちろん楽しい本です。
ですが、子育て中の大人の胸にズンとくる言葉がそこかしこにあります。
思わず、「わかる!」と言ってしまいそうな場面も。

例えば、アルバスの家出(アルバスにしてみれば、父のためなのですが)に怒ったハリーは、マクゴナガル先生にまで圧力をかけて、アルバスの一挙手一投足を監視しようとします。
また、「悪影響だ」と思った友達、スコーピウスと接触するな、とアルバスに命じます。
果ては、「お前が私の息子でなけければよかった」とまで。

最初のはなんだか、スマホのすべてを監視する親、みたいな感じですね。(年齢によっては必要と思いますが)

反抗期の子供、秘密主義の子供へのハリーの苛立ち・・・思春期のお子さんを持つ方なら、ハリーの気持ちが手に取るようにわかるのではないでしょうか。

マクゴナガル先生に、「あなたは子供がいないからわからない」的なことを言ってしまうのも、ハリーの人間臭さ、親としての戸惑いがにじみ出ていますよね。

そして思うのが、こういう問題や気持ちって、日本でもイギリスでも一緒なんだなあ~ということです。
「日本人は気にしすぎるから」というわけではなさそうですね。
なんとなく、ほっとしませんか。

『呪い』にとらわれた子どもたち

直接的には、タイトルの「呪いの子」はデルフィーですが、アルバス、スコーピウスもまた、「呪い」を抱えています。

アルバスは、偉大なハリー・ポッターの子供というプレッシャーと、「父は父、自分は自分。でも割り切れない・・・」という葛藤。
スコーピウスは、ヴォルデモートに協力したマルフォイ家の子どもであること、そしてヴォルデモートの子なのではないかという疑惑。

どちらも当人たちにとってはキツい呪いです。
それでも、二人は時にはケンカし、協力し、お互いを認め合いってそれを克服していきます。

どんな場所に居ても、どんな時でも、親友が一人いれば、それでたいていのことはなんとかなる。
アルバスとスコーピウスの「ジタバタ」は、とてもシリアスで心を打ちます。

そしてデルフィー。
父と母を知らずに育った彼女の父を慕う気持ちは、それがどのような方向であれ、とても純粋です。
目的も手段も誤りだったとしても、デルフィーがヴォルデモート(に化けたハリー)に向かって、自分がどれだけ父を敬愛しているかを訴える場面は胸に迫るものがあります。

「私は父を知りたかっただけだ」
「父に会わせてくれ」
「(会わせてもらえないなら)殺せ。私の心を、記憶を奪ってくれ、何者かを忘れさせてくれ」

結局彼女はアズカバン監獄に送られてしまうのですが、彼女にもなんらかの救いがあってほしいと願ってやみません。

大人にも子供にも文句なしにオススメです!

意外にも親の核心をついてくるハリーポッターと呪いの子

大人にも子供にもおすすめの一冊です。
脚本形式ですので、ほとんどがセリフのみ。
読みやすさも抜群ですよ!

ところで、ヴォルデモート支配になった時間軸でのロンとハーマイオニーの足止めの際のやり取りが、すごくハリウッド映画っぽくて素敵です!
ああいう、決死の戦いの前の明るいやり取りとか泣いてしまう・・・。

おまけ・廣文館で初回特典をもらいました

広島の大手書店・廣文館で買ったところ、初回限定のポストカードとしおりをいただきました。
なくなり次第終了のようですので、ほしい方はお早めに♪

resize0218

シェアする

フォローする

おすすめ記事
おすすめ記事
スポンサーリンク